神々の楽園 ヨセミテバレー
一夜明けて、ヨセミテは快晴となった。朝露が残る緑に晴れ渡る青空で、なんと清々しい朝だろう。今まで巡ってきた荒野と峡谷の国立公園とは随分趣が違う。ヨセミテはどこか、シアトルのあるNorth Westの国立公園と感じが似ている。
写真はWawona Hotelの本館。とても簡素だが、落ち着いた清潔感のある建物だ。
今日は一日ヨセミテバレーで過ごす。今晩もWawonaに宿泊なので、ヨセミテバレーまで1時間の山道はちょっと遠い。バレー内のホテルが取れなかったのは失敗だった。くねくねした山道は途中片道通行になっていたりしてヨセミテバレーまで1時間は掛かる。
南からヨセミテバレーにアプローチすると、トンネルビューというポイントを通る。トンネルを東に抜けたあたりに、バレーを一望する展望台がある場所がそれ。道のすぐ傍だから見逃すことはないだろう。
まるで一枚の絵のようだ、とここを見て誰しも思うのではないだろうか。左の大きな岩壁がエルキャピタン。中央右に見える滝はブライダルベール滝。バレーの上部に流れる川がここで突然中空へと飛び出し、霧のような滝となって流れ落ちる。川が見えないので、どこから水が流れてくるのだろうと不思議に思う。バレー中心部は下に広がる森の奥になり、道はブライダルベール滝の前を通って奥へと伸びている。
車は森の中をマーセド川上流へと進む。しばらく走るとエルキャピタンの脇を通り抜ける。下から見上げるエルキャピタンの大きさには驚かされるが、この岩を登るクライマーがいるというのにも驚かされる。
さらに進むと森を抜け見晴らしの良い草原に出る。ここからはヨセミテで一番の落差があるヨセミテ滝が望める。2・3日前は天気がぐずついたお陰か、水量は十分だった。写真だと分かりづらいかも知れないが、かなりの落差で3段合わせると740mで世界5位だ。
青空の下、ヨセミテバレーは何処を見ても絵になる。さらに奥に進み、Visitor Centerのあるエリアで駐車場に車を停めた。実はヨセミテバレー内はほとんど車を停める場所が無く、Visitor Centerの近くの駐車場ぐらいしか停められない。そこからはバスにのってバレー内を移動するのだ。
駐車場は近いと言ってもVisitor Centerまで歩くと結構遠い。Visitor Center近くにはレストランやギフトショップやグロッサリーが集まっているので、ちょっとした買い物をしながら移動した。Visitor Centerでは地図やトレイルの情報を貰ったが、その時に「熊に注意してね」と言われ、見てみなさいと示されたのがこの掲示。
ヨセミテは最も熊が出る国立公園と言われるほど熊が多いらしい。毎週数件は熊により被害が出ていて、車を壊されたりテントを破られたりと結構深刻なようだ。人に慣れてしまった熊がこうした行動を繰り返すと、いずれ人と接触してしまう恐れがあるため、レンジャー達は食べ物などを一切車内に残さないようにと何度も警告していた。
Visitor Centerの隣にはアンセルアダムスの写真館があり、彼が撮った有名な写真の数々が絵葉書になって売っていた。写真集なども豊富に揃えてあり、彼のファンならとても興味深い場所だろう。
そうこうしている内に、あまり時間が無くなってしまった。ヨセミテでは移動に思った以上に時間が掛かる(宿泊がWawonaだからというのもあるが)。長いトレイルは歩けないので、短めのロウアーヨセミテ滝トレイルを歩くことにした。ヨセミテ滝は三段になっていて、その一番下の滝の目の前まで歩くトレイルだ。
トレイルを歩く途中、リスがしょっちゅう目の前を横切る。そこでふと「リスが松ぼっくりを食べるとエビフライが出来る」というコネタを妻が披露。なんの話かというとこういうこと。
リスはよく松ぼっくりを齧っているが、我々がとうもろこしを食べるように、周りの皮(?)をがりがり齧るので、中心だけが残った結果、エビフライのような形になってしまうのだ。以前、関西の某探偵ナイトスクープという番組で紹介されていたコネタだが、実際に見るのは初めて。もしご近所にリスが居て松の木があれば、エビフライを探してみてはどうでしょうか?
歩くこと30分。着いたロウアーヨセミテ滝は、一番小さな滝と言えどもかなりの迫力だ。多くの人が滝つぼ周辺で休息していたが、その人と滝を比べると滝の大きさが分かるだろう。ロウアー滝の落差は98mらしい。
トレイルから戻るともう夕食の時間だった。Visitor Center近くのカフェテリアでピザなどで軽く。今日もWawonaで宿泊なので1時間も車を走らせて帰った。やっぱりちょっと遠い…Wawonaで連泊はあまりお勧めしません。ちょうど夕暮れ時で遠くに見えるハーフドームが赤く染まったり、バレーの外に見える雲がオレンジに輝いてとても綺麗だった。








